EDIBLE GARDEN CITYづくりについて、地域で活躍されている方々にヒアリングを行いました。そこからEDIBLE GARDEN CITYの展開のためになる以下の4つのヒントを得ました。
●ヒント1:何年も継続した情報発信「森のマルシェネットワーク」
コマデリの小池一美さんはもともと青葉区出身で現在も青葉区に住み、青葉区、横浜市、神奈川県のお米・野菜を使用しキッチンカーで5箇所以上もの場所でお弁当の移動販売をされている方です。その他にも、はまふぅどコンシェルジュへの参加やローカルWebメディア 森ノオト「森のマルシェネットワーク」のライターとして青葉区を中心に活動されています。キッチンカーの活動だけではなく、ライターなど地元での活動を続けることで、自然と出会い、またお客さんと会話を通じて、コマデリさんと地元の農家さんから住民の方々まで多くの人々がつながっているのだと感じました。(取材日時:2012/12/1、取材場所:横浜美しが丘西郵便局、取材とライター:與那嶺彩世)
● ヒント2:緊急時の社会ニーズを地産地消のチャンスへ発展
林農園のオーナーである林英史さん、青葉区の地産地消の第一人者です。林さんは以前、都市計画のお仕事をされており、農業とは、半農半Xでしたが、東北大震災をきっかけに、専業農家しかも、直売を中心にした活動に切り替えられました。東北大震災で、野菜の流通が止まり、住民の方々が困っているのを見て、自分は野菜を地元に提供できる。だから地産地消をやるべきだという考え方で始められたそうです。林さんは、直売を通じて多くのネットワークをお持ちですが、誰からどんな紹介を受けたのかを時間経過とともにお聞きする中で、林さんの持つネットワークの大きさを実感すると同時に、私達の研究である「つながりの可視化:アクターネット」にも興味を持っていただきました。 (取材日時:2021/11/18、取材場所:青葉区役所(あおばマルシェ)、取材:與那嶺彩世、ライター:衛藤知彦)

● ヒント3:来訪を待つことからお客さんの近くへ行くことへ転換
青葉区を中心に「地域の編集部」というコンセプトで、2015年からフリーペーパーの制作・発行をされているスパイスアップ編集部代表の柏木由美子さんにヒアリングしました。「萬駄屋」というキッチンカーを始めますというお話しから始められ、コロナ前は「 みんな目が駅にむかっている」、それがコロナ渦で駅周辺ではなく、駅から離れたところに目を向ける流れも加わり、駅周辺やスーパーに来訪してもらうのではなく、こちらから訪問する、駅への集中と駅からの分散が同時に進みつつあるようですね。 (取材日時:2021/10/22、取材場所:CO-NIWAたまプラーザ、取材:與那嶺彩世、ライター:衛藤知彦)
● ヒント4:食を農作品というブランド化
今回ヒアリングさせていただいた、「三井ナチュラルガーデン」の高橋豪哉さんは有機野菜の販売について、有機野菜は、通常価格より高額であり、商品戦略としても商品を「農作品」とよびブランド化し、その作品づくりをストーリーづけし、そのストーリーを買ってもらうという売り方のようです。お客様もネット販売や、首都圏の特定地域などをターゲットにされているとのこと。ただ環境に影響される商品のため、食品ロスのリスクがあり、その調整として「調理したものを売る」という戦略も加え、これからはキッチンカーで販売する方向も検討されているようでした。 (取材日時:2021/12/15、取材場所:オンライン、取材:與那嶺彩世、池野光児 ライター:衛藤知彦)