演習-X DMデータの取り扱い

DMとは、Digital Mappingの略で、地形や地物などが記載された数値地形図のデジタルデータです。一般に、「ディーエム」と呼び、GISやCADで開くことが可能です。このデータは様々な都市計画の基盤となるもので、都市計画基本図と呼ばれることもあります。

DMをGISで扱うには、専用のソフトウェアやプラグインなどが必要です。もっとも簡便な方法の一つにArcGIS Proを用いた方法があります。今回は、この方法でDMデータを取り扱う方法を学びます。なお、ArcMapを用いた方法もありますが、その場合、様々な情報が欠落するため、推奨しません。

1. データのダウンロード

まずはじめに、 研究室の共有フォルダからデータをダウンロードしましょう。

続いて、作業フォルダをローカルに作成し、ダウンロードしたデータをそこに解凍します。

フォルダ名のコツは「日付_作業名」
フォルダの中はこのようにする

2. ArcGIS Proを立ち上げる

Windowsのマークをクリックし、ArcGIS Proを立ち上げましょう。

立ち上げたら次のような画面が表示されるので、画面中央の「新規」の下にある「マップ」をクリックします。

次のような画面が表示されましたか?表示されていれば、「名前」を先ほど作成したフォルダ名にします。「場所」は右の黄色いファイルマークをクリックし、先ほど作成したフォルダを選びます。最後に「このプロジェクトのための新しいフォルダーを作成」のチェックを外します

上記のように設定出来たらOKをクリックしましょう。そうするとArcGISが開きます。

3. DMデータを読み込む

画面上部のタブから「国内データ」を選択します。

国内データのタブは赤枠にある。ない場合は、こちらからArcGIS Proのバージョンに対応したアドインをダウンロードし、インストールする必要がある。

左上の「DM」をクリックします。

3つの選択肢が表示されます。2番目の「DM→ジオデータベース」を選びましょう。

右に「DM→ジオデータベース」というタブが表示されたはずです。まず入力ファイルを選択してみましょう。①の黄色いフォルダーをクリックしてみましょう。

このような画面が表示されますので、DMデータを保存した場所へ移動し、「品川区」→「数値地形図データファイル」と進みます。拡張子が.dmのファイルがずらーっと表示されたら、shiftキーを使ってすべてのデータを選択し、右下の開くボタンをクリックします。

次に出力ジオデータベースを設定します。②の黄色いフォルダをクリックしてみましょう。

そうすると、先ほど見たような画面が再び表示されます。右側のプロジェクトの下にフォルダがありますね。これをクリックしてみましょう。「20220613_DM取り扱いレク」という名前のフォルダが表示されるはずです。

これをクリックして、右側の白いエリアで右クリックしてみましょう。そうすると小さな画面が表示されますので「フォルダ」を選び、「01_品川区」というフォルダを作ります。

「01_品川区」を選択し、先ほどと同じ要領で、今度は「ファイル ジオデータベース」を選びます。「shinagawa.gdb」という名前にし、これを選択して画面右下のOKをクリックします

最後に、③と④の欄を埋めます。測地系はJGD2011、平面直角座標系の系番は9、文字コードはSHIFT_JIS、出力データ名はshinagawaにします。また④のチェックボックスは二つともチェックします。なお、測地系などについて知りたいのであれば、こちらのサイトが参考になります。

ここまでできたら右下の実行をクリックしましょう。まあまあ時間がかかります。λ11からローソンに行って帰ってこられるくらいです。もしかすると下のセブンにも行けそうです。

4. DMデータを可視化する

3.でやった時と同じように画面左上のDMをクリックしてみましょう。

今回は「シンボルを適用してマップに追加」を選択します。すると、画面右にこのような画面が表示されます。

まず「入力フィーチャデータセット」は右の黄色いフォルダをクリックし、先ほど作成したジオデータベース「shinagawa」を選択します。選択したらOKをクリック。

shinagawa.gdbの下にshinagawaがある。こちらを選ぶ。

図形区分99にシンボルを適用というチェックボックスにチェックを入れたら、画面右下の実行をクリックしましょう。今度はすぐに処理が完了するはずです。

右のコンテンツテーブルのshinagawaの下にはたくさんの階層と凡例が自動で生成されています。

画面を拡大すると、地図記号などが反映されていることもわかります。

5. 最後に

ここまでDMデータの操作をみてきましたが、いかがだったでしょうか。GISの最も重要な部分は、可視化することではなく、データとデータを重ね合わせて分析していくことにあります。今回のDMデータも何かほかの面白いデータとあわせて分析すると何か見えてくるかもしれません。

2022.6.13 初版(政策・メディア研究科 博士課程 2年 中山俊)